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★★★書評「なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか」

書評★3つ(満点5)「なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか」(幻冬舎、内藤明宏)

 

 中国について書かかれた本ですが、中国をインドやブラジルに置き換えても概ね同じ内容の本が書けます

 発展途上国(経済未発展国)というのはどこも低モラルという点で共通してるからです(ギブアンドテイク、公正が守られない)。

 そういう国の人間の行動パターンは、先進国の日本人には目が点で、最初は異星人に見えてしまうとこが多々あります。 それを予め知るうえで非常に良い本。 日本人の海外幻想、世界市民幻想を是正するには非常に良い本

 

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 発展途上国は、モラル向上>経済活動活発化>経済力向上>パワー増大、、という順序で、先進国化していく。

 だから、発展途上国=経済未発達=低パワー=低モラル、という等式が成立する。

 経済活動の基盤は『信用』、『社会奉仕』だから、モラル向上がなければ経済力向上もないのです(で、経済力向上がなければ軍事力向上、パワー向上もない)

 

 なぜなら、『信用』が欠落した社会では商取引は滞るし、非効率になるから。 これでは当然、経済発展しない

 なぜなら、『社会奉仕』の意識、『他者への気配り』(他者視点)の意識が欠落した社会では、より良い製品、より良いサービス、より安くする努力は生まれないから。 これでは、経済競争力は高まらず、経済発展しない

 

 しかし、中国はモラル向上がないまま経済発展し、パワーを身につけてしまった

 それは、1975以来、日本がお人好しに莫大な技術援助、資金援助をしまくったからです。

 また、1980以降は、日米欧先進各国が、中国の通貨安固定政策を放置してしまったからです。 中国は通貨安固定政策により、先進国企業を自国に引きつけ、労せずに資金と技術をタダ取り出来た(これにより先進国では、経済の空洞化が進み、中間以下の層が没落し、左傾化が進行した。 中国にとってはダブルで美味しい状況になった)。

 中国13億の巨大市場という幻想に信じ、先進各国は、中国を特別扱いし続けてしまったのです

 

 モラル無き発展途上国が巨大パワーを身につけたのだから、世界中で軋轢を起こすのは当たり前。

 それが、中国だけ世界中で嫌われまくる理由です(普通の発展途上国は低モラルでもパワーがないので、世界中で嫌われるほど軋轢を起こせない(--;)

 

 この本は、中国が特別異質で、それゆえ嫌われてるように書いてるが、それは誤りと思う

 中国異質論は日本の中国嫌いに受け入れられやすいので、そういうヒトはそこで思考停止になり、この本を読み進めるでしょう。 そうすると、最期のはめ込み(?)にはまることになる、、、かも

 

 

 

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 結論的に言うと、この本は(結果的に?)巧妙に書かれた中国応援本になってしまってる。

 

 上手いサギ師は、99%は真実を語り、だまされる側にとって致命的な1%のところでウソをつく。

 最近の左翼系論者(池上彰など)、親中論者にはこの手の巧妙な論者が多い。

 日本の国民益にとって致命的なところで、巧妙に洗脳(だまし)を入れ、国民、政治家を自滅方向に誘導するのです

(左翼系論者が反国民益になるのは、彼らが社会主義(悪平等と、統制経済≒官僚統制が特徴)という『不合理な宗教』を”盲信”しているうえ、社会主義国・中国にシンパシーを感じ陰に陽に巧妙に協力するから。 国民益にとって不合理な『宗教活動』(つまりは反日活動)にまい進しているわけで、要するにカルトなのです)。

 

 この本も終章までは、概ねまともなこと(事実に即した合理的論説)が書かれていて、フンフンと納得してしまう。

 しかし、終章の185ページ以降、『新しい日中関係』以降のところは、中国にとって都合良い結論、中国の低モラルを正当化する論説がチラホラあり、それが結構重要かつ危険なものだったりする。

 意図的なのか、無意識な論説のズレなのかは分かりませんが、、、^^;

 おかしい点は次のとおり。

 

● 他者視点(他者にも配慮する公共精神、高モラル)、主観視点(自己中心主義、低モラル)双方に理?があるように書いている。

 

 >>>>上述のように、経済発展、持続的利益増大になるのは明らかに前者。 しかし、モラルなき発展途上国、弱肉強食の社会では、人間は主観視点で生きざるを得なくなり、明日の食べ物も知れぬので、目先の利益追求に走るようになる。 結果、ますますモラル低下、ますます弱肉強食化、ますます発展途上国化のドツボにはまる。

 他者視点のヒトが多い社会は発展性が高い。 国内的にはそういう社会を目指すべきでしょう。 しかし、世界はモラル無き発展途上国のほうが多数派なので、対外的には主観視点が多数と認識して、油断無く国内外で行動パターンを変えることが重要

 

● 中国vs米国は文明の対立であり、両者の違いを『文明の違い』として、併存の道を進むべき、と書いている。 異質なものと割り切り、別ルールで扱うべき、としている。

 

 >>>>米中や日中は文明の対立でなく、発展度合い(=モラル)の差異による対立である。

 モラルに差異がなければ、文化が違っても併存出来る。 しかし、モラルに大きな差異があれば、文化が同じでも併存はできない。 対立は不可避である。

 この対立は、普通は、モラル無き発展途上国=弱小国だから大きな騒乱にならない。 しかし、中国は、モラルがないまま、強くなってしまったから大きな騒乱になりうる。 だから、中国をそのモラル度合いに応じたレベルまで弱体化させることが必要。 先進国は中国への特別扱いや援助を止めるべきでしょう

 普通人(モラルあるヒト)とは嗜好(文化)に差があっても同居できるが、ヤクザ(モラルなきヒト)とは嗜好(文化)が同じでも同居できない。 ヤクザはネコ並みに弱くしなければいけない。 そういうことです

 

 >>>>中国や発展途上国を別ルールで扱うのは危険。 なぜなら、発展途上国はモラルが経済発展につながり、持続的に利益を最大化させることが分からない。 中長期の利益(持続的で大きな利益)を見ず、目先の利益(小さい利益)を追って、バーゲンセールのおばちゃんよろしく、身勝手に振る舞いがち。 発展途上国相手に、足して二で割るルール作りをしても、却って世界経済全体にマイナスなのです

 要するに、ヤクザにも配慮して(足して二で割って)法律をつくれ、ヤクザを特別扱いした法律を作れ、というのは無茶。 公正ルールでもって、公正度を守った度合いに応じて付き合う統一尺度(統一ルール)で扱うのが正しい。 そのほうが先進国の国民益に適うし、発展途上国の先進国化(モラル向上)を促すことになるので、最終的に発展途上国のためになる。

 

● 日本が米国の自由経済の秩序に適応できたのは、日本に文明がなかったから、としている。

 

 >>>>巧妙な自虐史観の刷り込み。中国優位・日本劣位の刷り込み。 日本が明治以降も戦後も、先進国の秩序に適応できたのは、独自文明がない国だったからでなく、高モラルで先進国になれる素地が既にあったから。 日本は、長期の鎖国でその潜在力が発揮できなかっただけで、開国と同時に急速に先進国化したのは当然の流れでした。

 文明=独自の文化様式=独自の嗜好は、どこの国にも、日本にも当然あるのです。 中華文明亜種は韓国であって、日本ではない。 日本は歴史上、(近現代を除き)中国との直接接触はほとんどなかったから嗜好は接近しなかった、文化はさして近くならなかった。 むしろ、中国と異質な嗜好が沢山生まれた。

 

● 個人と国は別物、としている。

 

 >>>>これは、中国が全体主義国家で、愛国心教育をがんがんやってる国であることからすれば、危険な考え方。 こういう国に対しては、個人と国は同じ、と考えて対処するほうが安全。 そうでないと技術、ノウハウ流出しまくりになる。

 また、ホントに国家に忠誠心がない中国人だったとしても、低モラルの発展途上国人であることに変わりないから、肝心なとこで手の平返しをされ、大打撃を受けることは往々にしてあるのです。

 どっちにせよ、致命的なスキを作らないこと、お人好しに技術・ノウハウ・資金を提供しないこと、フランクに接するにせよ損得勘定はしっかりはじくこと(気持ちのやりとりはするがお金や、お金につながるノウハウはあげないこと、こういうとこは欧米人を見習うべき)、、が重要

 中国にも先進国なみの高モラル、社会性を身につけたヒトはいるかもしれないが、それはかなり長く付き合わないと分からない。 永久に分からないと思ったほうが無難。 弱肉強食の発展途上国で育ったヒトは、剥いても剥いても本心が出てこない玉ネギみたいな精神構造になっていくから。 で、子供時代に出来上がった思考パターンは、大人になってからでは、まず変わらないものだから(そう思ったほうが安全)。

、、、以上の当方論説は、中国含む発展途上国の人間多数との接触、および国内ちんぴら(先進国内の発展途上人)を観察した自己経験と、中国について率直に書いてる中国人の女の子の著作@2000頃、、に由来(下記のメイさんよりもずっと率直に中国について書いてますが、同胞にはボコボコに叩かれたようです。既に絶版になってるでしょうが、身の安全のためにはこれは良いことです)

 

●最期のメイさん(著者の嫁)の文書にも、自己正当化、誤解などが散見されますが、これについてはいちいち指摘しません。 個人のほろり文書を最期に持ってくるとこも上手いですね、この本(--;

 この本の著者は日中を自由に行き来できます、たぶん^^; 

 

 

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