映画ずきのしんちゃんさんのブログ

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再び円急騰

6月11日の日経平均は13317.62(-196.58)。結局転換線をこえられずに反落し、雲の上限13426を割りこんでしまった。円の急騰を受けて、雲の下限12686あるいは週足基準線12884を叩いて試す展開になろう。もしこれらを割り込めば、さらに下値を試す調整が続くことになる。日足のMACDは底打ちしているようにみえるものの深いマイナス圏であり、日足の出来高は細っており、日足のDMIのマイナスも強くて週足のMACDはなお下落、いずれも底打ちを明確に示しているとは言い難い。


問題は円の急騰だ。現時点(日本時間3時50分)で96.13(-2.66%)で一気に転換線98.42を割って雲の上限97.33を割り込み、雲の下限95.44を試す展開になっている。MACDは下向き(ドル安)、DMIはマイナスが強く、日足はどうみても円高圧力が強く、雲の下限が危うくなっている。週足は基準線94.02を試す動きだが、MACDはゼロラインを切りそうになっていて、ドル下降の勢いが強い。


黒田総裁が、長期金利はそのうち実体経済の強さを反映して落ち着くだろう、といったのほほんとしたコメントを出したために、市場は逆襲に転じた格好だ。マーケットの指標をみるかぎり、短期には明確に円高トレンドが形成され、中期的にも、円高トレンドへの転換が試されている局面である。異次元緩和といいながら、実際には長期金利が高騰している。それなのに、手をうつ必要がない、という日銀の姿勢は理解しにくい。実のところは、日銀が長期金利の高騰をコントロールする手段がないのではないか、という疑いが膨らんでいる印象だ。市場との対話といいながら、実際には市場の恐ろしさを過小評価して、市場に翻弄される結果になっていないか。もしも策があるなら、はっきりと姿勢を示して打ち出さないと、(策がないならそれまでだが)、このままでは、かさにかかって中期の節目週足基準線94.02を試す展開になりかねない。95円が輸出産業の採算の分岐点だといわれており、もし95円割れになるようであれば、実体経済そのものに打撃が及んでくることになる。円高を止められなければ、株も4月前の水準まで戻り、下手をするとさらにオーバーシュートして「もとの黙阿弥」になりかねない。首相も日銀総裁も、あらゆる武器を総動員して、立ち向かうべきだが、果たしてそのようなガッツがあるのかどうか。アベノミクス、クロダノミクスは正念場というべきだ。
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