サイコさんのブログ

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某論

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  士業(弁護士、会計士等)  現在 10位

名古屋の司法も捨てたものではない。イラクへの自衛隊派遣は違憲とする初めての司法判断が下された。ただ、これは実に奇妙な裁判でもある。原告の市民団体はこの控訴審で棄却(理由が無いということで訴えをしりぞけること)となり、実際には負けてるわけで、不服があれば上の最高裁に上告することができるのであるが、しないらしい。それは判例において法的拘束力を持たない傍論の部分で9条違反にふれたことが、画期的判決として受け止められたからなのだ。しかし、負けは負けであるので裁判費用もさることながら、原告の弁護士諸氏はいったいどのくらいのギャラが入るのであろうか。まぁ、原告もいわゆる集団訴訟なので一人というわけでないから(1100人!)、持ち寄りで十分弁護士報酬も払えるけれどもね。まぁ、お金に変えられない価値というものもあるわけで、これもいわゆる市民の声、というものだろう。それに答えた裁判長も凄いということか。ただ、この裁判長、すでに依願退職してしまっていて、判決は代わりの裁判官が読んでるということだ。これも凄い話だ。当然に、この判決に対しての批判もかなり手厳しい。
 -- 福岡地裁判決の問題点を指摘してきた弁護士の稲田朋美衆院議員も「最終的な憲法判断は最高裁にあるというのは憲法81条からも明らか。非常に高度な政治的判断について、上告を封じ、最高裁判断を封じることは憲法に違反している。まさに『蛇足』の判決だ」と批判する。-- 
  (4/18産経新聞から)
いや〜ちょと待て!裁判に瑕疵があるにしても、最高裁判断を封じているわけではない。反論として、原告寄りの事情判決をすることで、被告に上告の機会を与えない(要は原告が負けたので被告には、「いやそれ違う」と言ってしまうのは原告の訴えを認めるということになるので、どちらにしても歯痒い)たぐいの判決が、裁判所手続きを悪用した正当性を欠く、と言いたいのだろう。しかし、何が何でも最高裁なのか?憲法第81条は法令審査権としての終審裁判所が最高裁だといってるに過ぎないと思うのだが。それを下級審で決定されてしまったことだけをとって「違憲だ!」とするのは暴論だろう。確かに、主文を読むべき裁判長が既に依願退職したために代わりの裁判官によって言い渡されてしまったのでは「高度に政治的な判断」をその裁判長が備えていたのか、懐疑的にならざるを得ないのだが。ま、政治的な判断で辞めちゃったんだろうことは推測できるけどね。
しかし、負けは負けです。自衛隊派遣は違憲なんだけれど、その差し止めも裁判所はしないわけだし、原告に慰謝料が入るわけでもない。この傍論に、それっ、て飛びついて派兵中止を俄かに騒ぐ民主党も、なんだかなぁと思ってしまう。が、多分に、民主党の菅直人代表代行がそのフロントになるというのも何だか因縁めいたものを感じなくも無いですな。しかし、これでほんとに政局にもっていくのか? 亡論ですな。
 グゥーーーー



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