元祖SHINSHINさんのブログ

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メガヒットは狙って作る ~「もしドラ」方程式

12/25(火)、日経新聞20面に岩崎夏海氏の記事が出ていた。

 

彼は元々、秋元康氏に従事しており、

ヒットを生み出す眼が肥えて「は」いるようだ。

 

参加型オンラインゲームで、

メンバーを統率するのにドラッカーの「マネジメント」を参考にしたという

他者の体験談をきっかけにして、

 

それを高校野球の女子マネージャーに当てはめて、

ダメチームが甲子園に行くという設定。

この設定が浮かんだときに、ヒットを確信したという。

 

これって、堀江淳氏もTVで言っていた。

交差点で信号待ちをしていたら、

突然、天からメロディーと詩が浮かんで、

自分が「ザ・ベストテン」で3位にランキングされるビジュアルを見たと。

「メモリー・グラス」のことだけど。

 

彼はこの書籍を、中・高生が読むものと仮定しターゲットに絞ったのだが、

実際には、なんとビジネスマンにウケて1年で200万部の売り上げに成功した。

 

記事では「次なる作品に期待」となっていて、

岩崎氏も自信のほどを臭わせていたが、

オイラにはどーも、ピンと来ない。

 

だって、スポーツってそんな甘くないんだもの。

きっとスポーツ経験のない読者が、面白がって読んだのではないか?

そういう冷めた目で見てしまったので、オイラは読む気がしなかった。

 

ドラッカーに着目したからビジネスマンにウケたと言われれば

そうかも知れないが、

だったらドラッカーを直接読めばいい。

 

色々な読者がいるのだから、

やってみたいことにはヒットするかどうかなんて、

誰にもわからないのだけど。

でも、もうこの時点でオイラは岩崎氏の作品を一生、読むことはないだろう。

 

ファンタジーが別に嫌いなわけではないのに。

(オイラは彼の作品がファンタジーだと想像する)

だけど、絶対に読む気がしないっすw

今はそれをうまく説明することはできないけれど、

この胸の内に生じたモヤモヤとしたもの、

漠然としているが圧倒的で大きな拒絶感は、いったい何なのだろうか?

 

ところで同新聞の19面には、

「第4回日経小説大賞」にて長野慶太氏「神様との取り引き」が選ばれたという。

最終撰者は、辻原登氏、高樹のぶ子氏、伊集院静氏。

 

高樹のぶ子氏による「題名が気に入らない」という批評の他は、

おしなべて好意的なものであった。

芥川賞を受賞した田中慎弥氏「共喰い」に対する

あの「甚だしい酷評」とは見事に対照的なものだ。

あの時、芥川賞の最終撰者は、黒井千次氏、川上弘美氏、高木のぶ子氏、山田詠美氏、

島田雅彦氏、宮本輝氏、石原慎太郎氏であった。

 

長野慶太氏は、この受賞が4回目のチャレンジということ、

またその前から長年にわたって小説に挑んでいたが、

まるで売れなかったことを告白しながら、

だからこそ、「読んでいただけるだけでイイんです」と

この度の受賞を素直に喜んでいた。

 

同時に、そこには緩やかなる嫌味が含まれており、

あの田中慎弥氏による芥川賞受賞の態度を、

明確に嫌悪しているように思われる表現が他所にあった。

 

こうした二人の著者の姿勢が、それぞれの各人による批評にも影響を及ぼしたように思える。

 

人の心は恐ろしい。

ドラッカーのマネジメント力を謳う前に、

己のマネジメント力を磨かないことには、

どう転んでも大成できないように思われる。

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