ユリウスさんのブログ

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語源の快楽(26) -Travel(旅行)-

 ある日、碁友三人でランチ、コーヒータイムの時、F氏からトラベルの語源、トラバーユ(苦労する旅)についてウンチクを傾けた話をきいた。結構面白かったので、ではトラベル(travel)とジャーニイ(journey)とトリップ(trip)とはどう違うのか、どのように使い分けたらいいのか興味が湧いた。
 これらの英語を辞書、類義語辞典、ネットなどで調べました。
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travel : 旅行の意のいちばん広い語で,特に遠い国または長期間にわたる旅行。一つの場所から一つの場所に進んでいく動きに重点があるようです。
例 How far do you travell to come to work?
※ でも、このように「通勤」の意味でも使われているから、今日では語源的意味はほとんど消滅していますね。日本の「通勤地獄」は語源とは無関係。(笑)

journey : 日本語の「旅」にあたる。それも陸路の旅のこと。通例かなり長い,時として骨の折れる旅で,必ずしも帰ってくることは意味しない。 
例 life's journey(人生の旅)、 sentimental journey(感傷旅行)
※ このような場合はtravell、trip等他の単語は使われない。 ロングマンの辞書でもjourneyを骨の折れる旅としており、この語がF氏の言う語源的意味を今では持たされているようです。理由は分りません。

trip : 日本語の「旅行」にあたる。普通の用事か遊びで出かけ,また帰ってくる旅行。この語は出発点に戻ってくる前提のある「小旅行」です。米語では幻覚的な楽しい経験(麻薬など)の意にも用いられています。動詞では幻覚を感じるという意味もあります。

voyage : 海上の比較的長い旅行。

tour : 観光・視察などのための計画に基づいて各地を訪れる周遊旅行。

excursion : レクリエーションなどのために多くの人が一緒に行なう短い旅行。遠足。


 ざっとこんなところでしょうか。
 これだけではちょっと物足りなさを感じる読者の為に、F氏説の語源を少し辿ってみました。

ラテン語の本来の語源  tri (トリ:三) + pulsus (パルス:打つ)
tripal?um (トリパリウム:三つの矛を持った刑具・拷問具)

ラテン語 tripal?aire (トリパリアーレ:刑罰を科する)

フランス語 travail (トラヴァイユ:苦しみ・苦役)、現代フランス語では「労働・仕事・勉強」の意。
※ 確かに苦しみを与える要素が入っていますね。

英語 trouble (トラブル:困難・難儀・迷惑・困惑など)
※ どうも本来の苦役の意味はこっちに移っているみたいです。

英語 travel (トラベル:旅行)
※ こちらは綴りは受け継いでいるけど、今日では苦役の意味あいは受け継いでいないように見えます。


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