ユリウスさんのブログ

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引き分け狙いのなでしこ -恥ずかしい戦略


 女子サッカー「なでしこ」の佐々木監督は、南アとの試合後の記者会見でこうはっきりと語った。
 「準々決勝の相手はどこでもいい。ただ、1位ならグラスゴーへの移動、2位ならここカーディフに残って試合ができる。コンディションを考え、後半の途中に引き分けを選んだ」と。

 勝たせたいと日本中のファンが思い、その期待に応えて「どうしても勝たねばならない」と監督が思うのは無理もない。だけど、このコメントほどスポーツを愛するファンを恥ずかしく思わせたコメントもない。栄光のなでしこチームとスポーツ精神に泥をぬってしまった。

 理屈は色々言える。選手の疲れを慮っての知将の采配だと言う人もいれば、フェアープレイの精神に反すると憤る人もいると思う。

 翔年は思う。オリンピックの大舞台で金メダルを取りに行こうとするワールドチャンピオン「なでしこ」の監督は何と小賢しいことを考えるリーダーなのであろうかと。
 岩淵に代わって左MFに入った川澄への指示は「ほかの選手はこのままでいい。ただ、カットインからのきみの素晴らしいシュートだけはやめておいてくれ。」川澄は、指示通りタッチライン沿いでボールを受けてはバックパスするだけで何もしなかったように見えた。(そういう試合を世界中のスポーツファンに見せたのです。勝つ意志のないチームでは片八百長と言われても仕方がないですね)

 監督のコメントはそれぞれの国の言葉に訳されて、すぐに世界中に配信される。相手チーム南アの監督は「2連敗のあと、世界チャンピオンに引き分けることができて、私は選手を誇りに思う」とコメントした。このコメントと佐々木監督のコメントを並べて聞いたスポーツファンはどう感じただろうか? 勝つために小賢しい策を弄し、それを世界中に公言する監督とチームを、例え金メダルが取れたとしても「尊敬」することはないのではないか。

 欧米諸国では、現在の日本人が意識する以上に、フェアーな精神を尊ぶ気風があることを指摘しておきたい。(精神風土は軟弱でない) 翔年は日本サーカー協会が佐々木監督に何らかのペナルティを課してもいいとさえ思う。

 スポーツに限らず、勝負事には運不運はつきものだ。不運にしろ、何にしろ、そのようなあらゆるものを受け入れて、最高のプレーを目指そうと監督が檄を飛ばし、それに発奮して選手が監督の要求以上のものを発揮して栄冠を手にするという夢のようなゲームを翔年は期待していた。そのような精神で戦えば、例え期待通りの結果がでなかったとしても、選手は誇りを失うことはないし、ファンはその戦い方を決して忘れはしないだろう。
 残念ながら、この監督のもとでは、そういう感動的なゲームはもう期待できないのかもしれない。

 
(参考)
2011/10/2 「毅然とした態度は素晴らしい  -サッカーの川島永嗣」
これはベルギー国とベルギーの世論が自国のファンの心無い野次を「恥ずべき野次」として、日本国に謝罪したのです。他国ながらあっぱれです。



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