ユリウスさんのブログ

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塾に咲く花たち -五月下旬- (修正版)

 5月24日のエントリー「塾に咲く花たち -五月下旬-」の中で、花の名前の分からないものを教えて欲しいと書きましたら、古い友達の「神戸のおKei」さんから、その花の名前を教えていただいたばかりか、間違いも指摘して正していただきました。(感謝)

 ネットの情報は玉石混交ですが、翔年はできるだけ事実を正確に書きとどめておきたいと念願しております。「神戸のおKei」さんのご指摘を、青木繁伸氏の「植物園」等で再確認したので、修正版として、ここに改めてアップいたします。

修正1
著莪(シャガ) → 紫蘭(シラン)の白い花でした。

 花の色は白ですが、確かに葉は良く見ると紫蘭と同じでした。花も葉も蘭と同様で、鑑賞もさることながら、むしろ漢方薬の材料として、薬草園に植えられているらしい。紫蘭の名前に反して白い花もあるとは知らんかった。

紫蘭さいていささかは岩もあはれなり    北原白秋

紫蘭咲き満つ毎年の今日のこと       高浜虚子

大かたは打ち伏す梅雨の紫蘭かな     中道政子



修正2
牡丹(ボタン) → 芍薬(シャクヤク)

 これはウッカリミス、すみませんでした。
 美人の形容に「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というのがあります。これは芍薬は草本でまっすぐに立って花をつける、牡丹は低木で枝が横に広がる、百合は細い茎に大きな花をつけて風に揺れるので歩く姿を髣髴とさせることからきているのではないでしょうか?
 
 美人に目が眩(クラ)んだ訳ではないでしょうが、英語では牡丹も芍薬もpeonyです。わが国では「いづれアヤメかカキツバタ」で、これも漢字で菖蒲(ショウブ)と菖蒲(カキツバタ)、目が眩みます。どちらも文字で区別のつけようがありません。植物の命名者は男だったに違いありませんね。

 余談ながら、ボタン鍋は英語ではpeony stew または boar stewです。
※boar=雄豚

芍薬のつんと咲きけり禅宗寺     一休和尚

芍薬の一夜のつぼみほぐれけり   久保田万太郎

芍薬の蕾をゆする雨と風        前田普羅



名前の分かったもの1
梅花空木(バイカウツギ)

ウツギ(空木)の花を総称して「卯の花」と呼んでいるのだから、これは梅の花に似た空木ということだろう。

空は我を生みし蒼さや花卯つ木     橋閒石

押しあうてまた卯の花の咲きこぼれ   正岡子規

紅卯つ木見し夜は夫にやさしくす     草村素子


名前の分かったもの2
カロライナジャスミン

ジャスミンにはモクセイ科のものとガガイモ科のものがあるそうです。でもこれはジャスミンと名がついているがそれらとは全然別種でゲルセミウム科の植物という。同じゲルセミウム属で、かつては矢毒にも用いられたゲルセミウム・エレガンスと花色、花形がよく似ており間違われやすいという。カロライナジャスミンは、ゲルセミウム・エレガンスほどの強い毒性はないそうですけど。
 この花の俳句は見つかりませんでしたが、ジャスミン科の茉莉花(マツリカ)を詠んだものならあります。

茉莉花の香指につく指を見る     横光利一

茉莉花を拾ひたる手もまた匂ふ    加藤楸邨


 正しい花の名前を知ることは本当に難しい。知らない花名を教えてくださり、誤りまで正してくださった「神戸のおKei」さん、ありがとうございました。間違いを正せてほっとしました。


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