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東大流節電の取り組み 








 

 国内の原発がすべて停止する。使用電力量が一年で最も多くなる夏を前に、節電の重要性は一層高まっている。「開学以来」の節電に乗り出した東京大学(本部・東京都文京区)や、「脱原発」を掲げる城南信用金庫(本店・品川区)、そしてわが家の節電への取り組みを聞いた。 


◆スパコンも省エネ運転

 東大本郷キャンパス(文京区)の事務棟一階にある「東大サスティナブルキャンパスプロジェクト室」。ここが東大式節電策の重要拠点だ。主要五キャンパスなど全施設の省エネを取り仕切る。



 プロジェクト室によると、東京電力福島第一原発事故による電力不足を受け二〇一一年度、前年度比でピーク時(最大時)電力を30%、使用電力量を25%、それぞれカットする目標を打ち出した。東大ではそれまで、本格的に節電に取り組んだことはない。それでも早速、一定の成果を出した。



 ピーク時の電力を前年度のピーク時に比べて三割減に抑えるという目標は、夏季の数日を除いて実現し、ほぼ達成した。一方、全施設合計で前年度に約三億千五百万キロワット時だった使用電力量は、二億七千四百万キロワット時に減少。この削減率は13%にとどまり、目標はクリアできなかったが、削減した四千百万キロワット時は、一般家庭一万千四百戸の一年間の消費量に上った。



 東大式節電策というが、具体的に何をしたのか。実は東大といっても、地道な取り組みの積み重ねに尽きるようだ。



 プロジェクト室長の磯部雅彦教授が「節電に一番よく効くのは、照明とエアコン」と言う通り、同室の天井に本来四十五本ある蛍光灯は二十一本にした。ほかの部屋でも昨春以降、照明器具を三分の一以上減らした。夏の室温も二八度をキープしたことで、多くの学生が暑さに耐えながら研究に臨んだ。



 加えて、スーパーコンピューターの省エネ運転や、実験の時間を昼から夜に移すなどした。こういった節電策を支えたのが、プロジェクト室などを中心にした電力を常時確認する取り組みだ。



 学内では、部局ごとに教職員がパソコンなどで電力の使用状況をチェック。ピーク時使用電力の目標を超えそうになると、館内放送などで節電を呼び掛けた。工学部四年の平部顕子さん(21)は「館内放送を実際に聞いて、節電に取り組んでいるということを実感した」と話している。



 一方、一部のエレベーターを停止させることでは、実質的な節電効果はほとんどないという。磯部教授は「多くの人が『省エネをしている』という感覚を持ってもらえた」と啓発効果を指摘した。




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