ユリウスさんのブログ

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リーダーシップ不在の政府 -原発再稼動の判断基準がない?

 今日の読売朝刊は北海道電力泊原子力発電所3号機が5日夜、定期検査入りし、国内から原子力発電の電気がゼロになると報じている。定期検査入りは法律に基づいて実施することであり何の問題もない。問題は定期検査が終わって、原子力発電所を再稼動させる法的手続きが全て終了しても、民主党政権が後で付け加えた政治手続きが迷走に迷走を重ねており、議論が何時収束するのか、何をもって再稼動の条件とするのか、何もかもわけの分からない混乱の極にあることです。政治家が安全のための検討を命じたり、あらゆる角度からエネルギー問題に議論を重ねることは悪いことではない。ただし、決断には判断基準と時期が重要である。政治家は何もかも先送りして、国民生活を混乱させる愚を犯してはならない。



 この事態に対する政府の対応と政治家の記者会見のコメントを読売から拾い出して並べて見よう。恐ろしく低レベルの政治家が国会にいることに改めて気づかれるでしょう。

1 野田首相は訪問先の」ワシントンで 1日(日本時間)、関西電力の大飯原発3,4号機の再稼動について「全く地元の理解がいただけないなら、(原発ゼロの状態で節電で夏を乗り切る)選択肢は勿論ある」と同行の記者団に語った。
 → 原発の安全性を判断して政治決断すべき最高責任者が他人事のようなコメントをしているのには驚きました。これでは政治家のリーダーシップは無いに等しいと言わざるを得ません。

2 ここに至る前、4月9日の関係閣僚会合はこんな調子でした。頼りない政治家集団をようくみてください。この閣僚会合で「過去5年間の平均需要で試算すると、関電管内は今夏には520万キロワット(17.2%)不足する」という説明を聞いた出席者に緊張が走ったそうな。
 → 今頃緊張してどうするのか。このような事態を招いたのは前管総理の「脱原発」、「ストレステスト」発言、法律に基づかない浜岡原発停止要請等に起因する。政治が指導原理を持たずに口をはさみすぎた結果、収拾がつかなくなっている。エネルギー問題について見識ある政治家の意見を一度でも聞いたことがある人はいるのでしょうか?

3 細野原発相の発言。「停電もありうる。この事実をどう国民に理解してもらうかだ。」「需給面で改善の余地はないのか」
 → ほとんど、うろたえ発言である。脱原発を叫んだ時に先を見通した覚悟がなされていないから、こういう見苦しいことになるのだ。

4 閣僚のひとり。「数字を見て愕然とした」
 → こんな発言をする閣僚がいると知って国民は愕然となる。

5 福井県に隣接する滋賀県、京都府と関電の筆頭株主の大阪市から安全性や需給見通しの説明を求められて、政府は説明はしているがちっとも理解が得られない。聞いた方は「説明が不十分」と言うだけ。
 → 説明をする方も受ける方も、技術や法に基づく判断ではなくて、政治判断なので、不毛の議論を延々とつづけることになる。

6 原子力規制庁の発足は棚上げ? 藤村官房長官らは「再稼動を判断する基準は将来的に見て全て法律に基ずくものにするべきだ」と唱えた。
 → 民主党政権はそのために独立した組織、「原子力規制庁」をつくると言っていたではないか。法律をつくり、組織を作って万全の安全体制を築いて、国民を安心させるのが政府の役割ではないのか。

 
 立法府がやるべき「原子力規制庁」、安全規制の関連法の整備などはどれ一つやらずに、目の前の需給バランス表を見て愕然とするような見識のない政治家達のやる政治では、夏の関西電力館内の停電は避けられないでしょう。普通の国民には節電以外の選択肢はありません。相当の節電をしても、停電はありうると考えておくべきでしょう。暑い日本の夏になります。ということはエネルギーの供給不安なのですから、今後さまざまな分野にさまざまな悪影響が当然噴出します。その覚悟をするべき時期にきました。
エネルギー政策を持たず、こういう自体を引き起こした政治家は次の選挙で消えていただくことを願っています。


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