ぎっしーさんのブログ

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2008.02.14 こんな会社もありますよ

『ネズミの哲学』に学ぶ(「トヨタ国富論」日本経済新聞出版社より)

数値目標は作らない

 岐阜県関市。特注のねじ一本から生産に応じる鋳物メーカー、鍋屋バイテックの工場を目にしたトヨタ自動車の社員は困惑した。
 緑に囲まれた敷地に屋外プールや美術館が並び、工場内も隅々まで神経が行き届いていた。それ以上に、ゆったりとした時間の流れに驚いた。
 約330人の社員たちは慌ただしさとは無縁。「みんなリラックスして楽しそうに仕事をしている。これでどうして利益がでるのか」。製造ラインで働く人の動作まで解析し、生産性を高めるトヨタの生産技術者にとって異次元の光景だった。
 エンジンやモーターの動力を機械設備に伝える産業プーリー(滑車)で、鍋屋バイテックは国内シェア8割を握る。大手企業から舞い込む受注は、ねじ穴の空気を抜く仕組みが付いた真空空間用ねじなど大半がカタログにも載らないもの。それを注文を受けたその日に製造して発送する。名付けて「寿司バーコンセプト」。
 多品種〝微量〟生産が成り立つ仕組みは、自社開発した500台もの工作機械だ。外注した汎用機械では生産品目や工程ごとに段取り替えが必要なため、時間がかかる。特殊な工程に対応できる内製機械を使い分けると、精度の高い製品を短期間で仕上げられる。
 だが、トヨタマンが真に興味を抱いたのは、ビジネスモデルより鍋屋バイッテクの成長哲学かもしれない。
 「売上高などの目標数値は作りません」。2007年2月、愛知県内で開かれた勉強会。会長の岡本太一が説明を始めると、参加していたトヨタ幹部の表情が変わった。
 創業440年。岡本家は千利休に茶釜を作っていた鋳物一家だ。一品単位の受注は宿命といえるが、上場していないとはいえ安定的に利益を出さざるを得ない。岡本は社長に就任した30年前、自動車向けの大量生産に見切りをつけ、微量生産でも利益を上げる体質づくりに専念した。
 「規模の拡大という強迫観念にとらわれない」と現社長の金田光夫は話す。売上高はこの5年で1.7倍になったが、金田は「急成長は様々なひずみを生む」とむしろ苦々しげだ。
 大きな体を持つゾウも小さなネズミも一生のうちに心臓が鼓動する数は同じ。ゾウは心拍がゆっくりで長寿、ネズミは短命。老舗企業の多くはそんな定説を覆す「長い時間を生きるネズミ」だ。
19件のコメントがあります
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    こんさばさん
    2008/2/15 09:49
    ぎっしーさん、こんにちは♪

    ゆったりとした工場って実際にあるんですね。

    なにより屋外プール。。
    仕事終わりとか休憩時間に泳いだりできるんでしょうか。
    なんか良いですね♪
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    たぬき猫さん
    2008/2/15 21:56
    今晩は・・・。

    鍋屋バイテック・・・・

    岐阜でも風変わりな会社で有名です・・・。
    有る意味、羨ましい企業ですね!!
    伝統の重みの凄さと、経営者の心意気を感じます。

    大量生産はいつか後進国に追いつかれますよね!
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    ぎっしーさん
    2008/2/15 22:21
    こんさばさん!こんばんは!

    >ゆったりとした工場って実際にあるんですね。
    信じられませんよね。本当かよ??と思ってしまいますね。

    やはり、良いアイデア・良い商品は環境が重要かということでしょうかね。
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    COTOSSAさん
    2008/2/15 22:24
    お疲れ様です。
    こんな会社もあるのですね!やはり技術力に自信がないとできないなぁ。と思います。
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    ぎっしーさん
    2008/2/15 22:26
    たぬき猫さん!こんばんは!

    >岐阜でも風変わりな会社で有名です・・・。
    有る意味、羨ましい企業ですね!!
    伝統の重みの凄さと、経営者の心意気を感じます。

    そうなんですね。やはり岐阜で有名でしたか。昨日かおとといTBS系の番組で、岡本氏が語っていたような...。関口宏さんが聞き手で。良い伝統は大切にしてほしいですね。
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    ぎっしーさん 今晩は。

    最近テレビを見る時間がとれなく(その様な番組は好きなのですが)見落としていました。

    ほんとうに羨ましい会社ですね。結局は社員も幸せだと思いますが。
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    ぎっしーさん
    2008/2/16 00:05
    COTOSSAさん!こんばんは!

    仰るとおり技術力に自信があって余裕がないと、なかなか出来ないのでしょうね。
    COTOSSAさんのお気に入りのスイーツ関連の企業も同様の環境を整えると、とてつもなく夢のようなおいしい商品開発できるかもしれませんよぉ~。
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    ぎっしーさん
    2008/2/16 00:09
    イースター島のモアイさん!こんばんは!

    そうですよねぇ~ 社員もやっぱり幸せかぁ~。
    でも、数値目標をつくらなくて商売が成り立つのは信じ難いですね。
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    Rsunさん
    2008/2/17 08:25
    おはよう さん SUN!!

    鍋屋バイテックって、ちょっと前にカンブリア宮殿か何かの番組で取り上げていましたね。

    トヨタでみたらショッキングだろうなーと思っていましたが、やはり。

    その時は、茶髪のおねえちゃん(差別的な表現でorz)が、楽しそうに切削加工していました。
    「羨ましいメーカー」、「凄い社長だこと」という想いでした。

    企業はトヨタ生産方式だー、JITだー・・・と躍起になった時期がありましたが、はたして企業文化にまで昇華できた企業はいかほどに・・・??

    結局、自分たちで情熱を持って考えていないから、麻疹みたいなんですよね。
    (人のこと言えませんが・・・^ ^〞)
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    おはよう。 ぎっしーさん。

    今の時代に「トヨタ生産方式」が究極のまたは優れた生産方式でしょうか?

    私はそのように思いませんが・・?
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    面白い企業さんのお話でした。

     私的にも、ユニークすぎる会社が好きなほうなので、株を始めた頃は、風変わりな名証2部の未来工業が好きで200株持っていた時期もありました。

     しかし、北浜といわれる御仁が、株式投資の某雑誌で紹介してしまったので、あの人が目をつけると、ろくなことにはならないと思い、売却してしまいました。

     しかし、ああいう会社は、必ずしぶとく生き残るとおもいますよ。
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    すみません。 ちょっと割り込ませてください。

    未来工業は以前にテレビで紹介された事があり見ました。
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    ぎっしーさん
    2008/2/17 14:59
    GT-Rさん!こんにちは!

    >おはよう さん SUN!!
    クゥ~良いですねぇ~このリズムゥ~

    >その時は、茶髪のおねえちゃん(差別的な表現でorz)が、楽しそうに切削加工していました。
    「羨ましいメーカー」、「凄い社長だこと」という想いでした。

    TV取材で現場の従業員が、楽しそうな表情が出せるのは、普段からの現場の職場環境が良いくなければ、なかなか出来ないと思います。それだけすごいといいことかもしれませんね。

    >はたして企業文化にまで昇華できた企業はいかほどに・・・??
    確かに全部の企業で取り込むのは難しく、何年も先を見据えて実直に継続する執念が必要ですよね。
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    ぎっしーさん
    2008/2/17 15:18
    イースター島のモアイさん!こんにちは!

    >今の時代に「トヨタ生産方式」が究極のまたは優れた生産方式でしょうか?

    私も製造業に携わる人間ではないので、説得力に欠けるかもしれませんが、時代の変化はかつてないほどのスピードです。企業生産手法も投資同様、絶対これが一番とは言い切れません点もあるでしょう。当然、その手法を取り入れる側にも、経営者から現場の従業員までが、どう理解しどういう姿勢で取り組むか、明確な方向性は示されているか、粘り強く継続できるかなど、よく考慮した上で行なうことが重要では。他の手法で、その企業文化で成果が得られる方法があれば、結果、そちらがベターでしょうし。お客様からのクレーム一つとっても、ただ、クレームを処理するだけで取り組むか、いや、このクレームの後ろには、宝の山があると捉え、真正面からきっちり取り組むかで、今後の収益に影響してくる場合もあるでしょう。若干、話の方向がずれてしまって申し訳ないです。
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    ぎっしーさん
    2008/2/17 15:24
    氷原のキツネ 予備役さん!こんにちは!

    >私的にも、ユニークすぎる会社が好きなほうなので、株を始めた頃は、風変わりな名証2部の未来工業が好きで200株持っていた時期もありました。

    ここもユニークな会社として何度も話題にのぼったことありますね。田舎でこんなすごい企業があるとビックリしました。

    北浜推奨銘柄は下げてくるというジンクスは投資家の中では、よく言われてますね。ここまで悪評が立つと、北浜氏本人も知らないわけないと思うので、もう、予想やめればとも思ってしまいますけど。
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    ぎっしーさん こんばんは!

    ん~! 若干、話がそれているようですが。
    ぎっしーさんの言われるのは意識面(今後の取り組み)で有りまして私が言うのは今の生産現場での話でありますので・・・。

    たとえばトヨタ生産方式の代表的なものに「かんばん方式」と言うのがありますね。
    その昔、ムダな物を作らないと言う発想から生産現場で大きな効果があった方式の一つですが昨今の(情報伝達方法が発達した)生産現場では少々時代遅れの感がするのではないでしょうか?

    私も難しい事は分からないのですが・・・。
    ただ、私の昔からの信念として「情報は早いのがBEST]と言うのがあります。
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    みやまな鉄砲長さん
    2008/2/17 20:29
    こんばんはーぎっしーさん

    >老舗企業の多くはそんな定説を覆す「長い時間を生きるネズミ」だ。

    なかなかいい読み物でした(^^ゞ
    「小がないと大成り立たず。大があるからこその小」
    日本の会社の中でも支えあっているんですね。(^^ゞ
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    ぎっしーさん
    2008/2/17 21:26
    こんばんは!イースター島のモアイさん!

    今の企業はシステム投資で、うまく今までの生産方式の良い部分を残しつつ在庫調整の精度を十分上げていると思います。これも、当時のかんばん方式があってこそではないかと。正確な情報であれば早いのがBESTは当然ですね。
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    ぎっしーさん
    2008/2/17 21:29
    こんばんは!みやまなさん!

    >「小がないと大成り立たず。大があるからこその小」
    日本の会社の中でも支えあっているんですね。(^^ゞ

    相互信頼に基づく総合力の発揮による発展ですね。きっと。
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