映画ずきのしんちゃんさんのブログ

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米景気への不安

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週末にダウが大きく下げて、欧州債務危機だけでなく世界景気全体の下降が心配されている。

いくつかの経済指標をみてみよう。ミシガン大学の消費者信頼感指数は、8月には55.7だったが、9月始めは57.8、それが9月末には59.4に若干改善した。だがロイターによれば、全体としては消費者のセンチメントは下降はしていないものの、消費は、不況への流れをおしとどめるような「急速な雇用の拡大をもたらすほど強くはない」と解釈されている。実際、グラフをみてみると、2009年をボトムとした回復基調にはあるものの、頭を打っている印象である。低所得者の信頼感指数が改善しているようで、これはオバマ大統領の雇用拡大政策への期待が」貢献しているのではないか、と報じられている。もしこれが正しいとすれば、共和党の上院がオバマ大統領の雇用拡大政策をすんなり認める可能性は乏しく、期待はそのうち剥げ落ちてしまう危険も濃厚だ。

製造業ISMをみても、8月は50.6と、7月の50.9から低下、2009年7月以来最低の水準で、分かれ目の50の水準を低空飛行しており、景気の底われを懸念せざるをえない状況である。足元の雇用を示す失業率も、4月に8.8まで落ちたものの、7月には9.2に上昇、8-9月も9.1で、08年から駆け上った高い水準からさほど下がっているとはいえない。

というわけでどれもあまり元気がでる数字ではない。市場は、バーナンキがいざとなればQE3として、住宅ローン債権や自治体の債権、株式すらも買い入れるのではないかと期待しているようだが、QE2の効果も怪しいと批判され、共和党からは公然と批判もでているところで、バーナンキがそこまで踏み切れるか。大きな疑問符がつく。

オバマ大統領は当初、ドル安がアメリカの輸出を押し上げ、輸出主導で景気の回復を期待していたようだが、それが必ずしも雇用の拡大につながらず、住宅市場の停滞を打破することにも今のところ失敗している。他方ニューデイールにならったインフラ整備は、財政の制約で思うに任せず、そこに欧州債務危機がおそって、ドル安のシナリオ自体が狂ってきている。ガイトナーがユーロゾーンの尻を必死に引っぱたいているのも、欧州危機がリーマンの再来をもたらす危険というだけではなく、ドル高のままでは、輸出拡大の期待もふっとんでしまって選挙にも響くからかもしれない。

少しどこかに明るい兆しがほしいものだが、なかなかトンネルは長いようだ。
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