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オイルショックよりも怖い「老いるショック」:JALも?

オイルショックよりも怖い「老いるショック」 2010年01月15日
雇用統計 バーナンキFRB議長 老いるショック、ベビーブーム世代:オイルショックよりも怖い「老いるショック」とはいい表現だ。ベビーブーム世代の高齢化に経済の高齢化が今回の米国発の金融危機とその回復の遅さをもたらした。極端に金融に偏り、製造業が疲弊した米国経済はまさに「老いるショック」がぴったりだ。おなじことがJALにも言えそうだ。今日もマネーゲーム。6~10円で推移か?(Y)



【FRBウオッチ】オイルショックよりも怖い「老いるショック」
  1月14日(ブルームバーグ):米労働省が8日に発表した12月の雇用統計は労働市場の構造変化を鮮烈な形で浮かび上がらせた。まず同統計表に盛り込まれた11月の非農業部門雇用者数の改定値でほぼ2年に及ぶマイナスの世界から水面上に浮上したことが判明。それもつかの間、12月には早くも水面下に沈没してしまった。

  雇用市場の若さが失われているためで、これからも水面上に浮上するたびに、再び水面下に押し戻され、持続的成長という安全な陸地に這い上がれるまでには相当の試練が待ち受けている。オイルショックを受けた80年代初めの景気後退局面では谷を形成した後、雇用も鋭角的に回復したが、今回は経済体質の老齢化に伴い、回復は非常にのろいものになるだろう。

  ベビーブーム世代の高齢化に加え、米経済自体にも金融業の膨張から破裂、製造業の衰退といった老齢化の陰が色濃くにじむ。こうした経済の変遷に気付かず、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は1930年代の大恐慌時代の中央銀行の対応を反面教師として未曾有のマネー膨張策を断行。

  オバマ大統領は大恐慌を乗り越えたとされるルーズベルト大統領にあやかってグリーンニューディール政策を導入。経済が老齢化する中で、財政赤字を膨らませている。米経済はこうした危なっかしい「救命ボート」に乗っていずれ陸地に這い上がれたとしても、労働者にとって、さらに険しい道のりが待っている。

           群を抜く注目度

  米国の雇用統計は当該月の12日を含む週に調査され、翌月の第1週金曜日に発表される。調査範囲が全産業分野に及び、しかも毎月第1週と、他の統計に先駆けて発表されるため、マーケットの注目度は群を抜く。

  今回発表の12月統計の注目点は2008年1月から続いてきた非農業部門の雇用者数のマイナスがプラスに転じるかどうかだった。ブルームバーグ・ニュースが72人のエコノミストを対象に調べた予想の中央値は前月比変わらずと、水面まで浮上するというものだった。

  結果は12月が8万5000人の減少と予想の下限に接近。その一方で、心待ちにしていた雇用のプラス転換が実は11月に実現していたことが判明した。12月に発表されていた11月の速報値は1万1000人の減少だったが、改定の結果4000人の増加に上方修正された。

         先行する失業保険統計

  JPモルガン・チェースのエコノミスト、ブルース・カスマン氏は昨年11月6日付の調査報告で、失業保険週間申請件数の推移に基づいて非農業部門雇用者数のプラス転換を予想していた。同氏は「失業保険申請は通常、週間40万件が雇用者数の横ばいを示すが、失業率が10%以上に達するほど労働市場がひどく悪化しているときには失業保険申請件数50万件と雇用者数の横ばいが一致するようになる」と分析していた。

  今回の景気後退局面では、失業保険申請(4週間移動平均)が09年3月に67万4000件でピークに到達。11月初めには50万5000件に低下していた。そして、同氏の分析が正しかったことは、その2カ月後に11月の雇用者数の改定値発表で証明されることになる。

         失業期間が焦点に

  失業保険申請件数はあくまでも州政府の窓口に提出された申請書の数で、保険を受け取る人の数ではない。数万通の申請書は書類不備などを理由にはじかれてしまう。JPモルガンのカスマン氏によると、2001年の景気後退のときのように落ち込みが浅い局面からの回復過程では再就職が比較的容易なため、面倒な失業保険申請をせずに、さっさと再就職する人が多い。

  しかし、今回のように失業率が10%にも達する世界では、再就職が困難なため、まず失業保険申請を提出し、それから再就職活動に乗り出す人が増える。勢い失業保険申請件数がかさ上げされることになる。

  筆者の知人も昨年10月に会社倒産に伴い職を失ったが、まず失業保険受給申請書を提出していた。その知人は最近、友人に「3カ月も再就職先が見つからない」と嘆くと、「3カ月なんてまだまだ。僕は1年以上も失業しているよ」と、先輩風を吹かせられたという。平均失業期間は昨年12月の時点で29.1週間と、1948年の集計開始以来で最長記録を更新中だ。

           80年代

  JPモルガンのカスマン氏が今回の雇用回復局面との類似性を指摘する81年7月-82年11月の景気後退期では、失業保険申請4週間平均が82年10月に67万4000件でピークを形成。その3カ月後の83年1月初めに同4週間平均は50万件に低下した。同じ月の非農業部門雇用者数は前月比で一気に22万5000人も急増。その後も鋭角的な上昇トレンドを描いた。

  80年代初めの景気後退は第2次オイルショックの直撃を受け、狂乱インフレを伴う厳しいものとなったが、米経済にはまだ若さが残されていた。さらに金融膨張が始まるとともに個人消費が拡大トレンドを強め、雇用市場も景気回復に素直に反応できた。

  その後、米経済は90年代から2000年にかけて史上最長の好況を享受する。しかし、金融バブル膨張の怪しげな光に惑わされていた面が強く、生産性向上の掛け声の裏では労働市場が確実に蝕まれていた。

         景気の谷から先が長い

  2001年3月-同年11月の景気後退は比較的浅かったといわれている。しかし、雇用に関して言えば、最終的な上昇トレンドに復帰するまでには景気の谷から2年近くかかった。生産性が最も向上した製造業の雇用者数は2000年7月の1732万人を今世紀のピークに減少を続け、09年12月には1163万人と、10年間に569万人も減ってしまった。

        製造業雇用減少の真相

製造業の雇用者数は全体の雇用がプラスに転じた2003年夏以降も一貫して減少してきた。これは製造業の経営者が労働者の職場教育をないがしろにしてきたため、熟練労働者が育っていないからだ。そして、短期的な利益至上主義に基づいて労働者を解雇し、景気が回復してきたところで求人に動いても、必要とされる候補者がいなくなってしまった。

  製造業の求人数は、全体の非農業部門雇用者数がプラスに転じた03年夏を起点に07年7月まで上昇トレンドを記録。今回の景気後退で急激に落ち込んだものの、景気の反転に伴い敏速にプラスに転換してきた。その一方で、製造業の雇用者数は今世紀に入ってから一貫してマイナストレンドを続けてきた。これは製造業の経営者が求める技能を有する労働者が少ないことを裏付けている。ISM製造業雇用指数が過去3カ月連続で縮小と拡大の分岐点を上回り、経営者が人員拡大に乗り出す中で、雇用者数の減少が続いていることと整合的だ。

  サービス部門の労働者も80年代から続いてきた個人消費ブームの終了とともに厳しい試練に直面している。経済も加齢とともにステージを切り替えていく。米経済成長をけん引してきた個人消費はトレンドを切り下げている。こうした環境変化を無視した金融・財政政策は長期的には実体経済に悪影響を与える恐れがある。

      ベテランエコノミストの慧眼

  71年のニクソン・ショック以降、大手邦銀で金融市場を見つめてきたベテランエコノミストは日本経済について、「老いるショック」に見舞われていると表現した。同エコノミスト氏は社内規定沿って匿名としたが、同フレーズを米国経済に借用することについては快諾した。この言葉は、極端に金融に偏り、製造業が疲弊した米国経済の方がより馴染むようだ。

  米経済はオイルショックを金融膨張を機関車とする経済成長でしのいできたが、加齢に伴う「老いるショック」は力任せの治療では複雑骨折しかねない危うさがある。老齢に差し掛かってからの借金は生身の人間にとって、命取りになりかねない。その教訓は生身の人間の集合体である一国経済にもあてはまるだろう。

(FRBウオッチの内容は記者個人の見解です)

記事に関する記者へ の問い合わせ先:ワシントン 山広恒夫 Tsuneo Yamahiro tyamahiro@bloomberg.net記事に関するエディタ ーへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2010/01/15 07:53 JST (ブルームバーブより)
2件のコメントがあります
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    rikakusenninさん
    2010/1/15 10:45
    おはようございます

    良い記事を載せていただき、有難うございました。
    あっちゃこっちゃ見て回ってますが、この記事はgood!

    私はベビーブームの世代なので、とくに感じますです
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    yoc1234さん
    2010/1/15 11:14
    rikakusenninさん   こんにちは。

    時々いいのに当たります。

    日航や今の日米経済もこれみたいです。

    大きくなりすぎて若返らなくてはいけません。

    新しい血がいるのでしょう。

    今日も8~10円で推移し、株価の上下動に影響を与えるようです。

    このところすごい取引額です。
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