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MBOのルール不全

今朝の日経@14面

シャルレのMBO失敗によるルール不全の記事が法務インサイドに掲載されている。

主な動きとして一覧が出ているものはこんな感じ↓
2007年6月
株主総会で創業家が三屋社長ら経営陣を総解任
2008年9月19日
創業家側がMBO発表。シャルレ側も賛同表明。
*1株800円、創業家側は取締役会のMBO審議には不参加、価格は社外取締役が創業家側と交渉し妥当と判断、株価算定では第三者評価機関の鑑定書取得、取締役会はMBOに関する説明を法律事務所から受けた

10月中旬
シャルレに内部通報が相次ぐ
(取締役に利益相反の疑いがある)

31日
第三者委員会(弁護士4人)がシャルレ取締役の利益相反行為を事実上認める調査結果を公表
*第三者機関に依頼して創業家側が算定した株価は646-908円。同じく会社側が算定した1104-1300円より大幅に安い。創業家の林社長は会社側の算定価格を下げるため利益を低く見積もった新経営計画を作るよう非公式に会社側を説得。社外取締役らは創業家側ファイナンス・アドバイザーの説得を受け入れ、新計画を策定。法律事務所は新計画は会社側の算定価格を低くする目的で作成されたと判断されるおそれがあるとコメントしたら、社外取締役らは意見書の正本を受け取らなかったと指摘。


11月18日
大証、情報開示に関する改善報告書の提出をシャルレに要求

20日
三菱東京UFJ銀行がTOB資金の融資を取りやめたことが判明

12月2日
シャルレ、創業家の林社長を解任。MBOへの賛同を撤回したため、TOB不成立が濃厚に。

3日
シャルレストップ安

17日
TOB不成立、MBOも失敗

19日
シャルレ、大証に改善報告書を提出

31日
創業家の林前社長と林宏子氏が取締役辞任


会社側の行為は金商法のTOBルールではグレー。
同法は虚偽のTOB届出書を提出するなどした買収者や虚偽の意見表明報告書を提出した被買収企業への刑事罰はあるが、シャルレの開示は全面的に虚偽とまでは言えないため、法令に照らして明確な違反は見当たらないということになるらしい。(へぇぇぇ)
金商法は12月施行の改正でTOBルール充実。虚偽のTOB届出書を提出するなどした買収者には新たに高額の課徴金を科すよう規制強化。
でも、被買収企業側は課徴金の対象ではないとのこと。

不公正が疑われるMBOに関して株主による差し止め請求訴訟が出来るような改正が検討されることが望まれている模様。
現在の日本の法律では、株主が取締役に対して会社法に基づく善管注意義務違反で損害賠償請求訴訟を起こすことはできても、取締役の不法行為の立証責任は株主側にあるため、ハードルは高くなる。

英国ではシティ・コードと呼ばれる厳しい自主規制が機能しているらしい。この前もこのシティ・コードって単語を聞いたなぁ。
2件のコメントがあります
  • イメージ
    yoc1234さん
    2009/2/2 22:41
    こんばんは。

    悪やノーと言って終わりではなんか釈然としない。

    またこんなやからが出そうです。

    だまされる側もリスクを認識してるでしょう。
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    COTOSSAさん
    2009/2/3 19:14
    >yoc1234さん

    こんばんは。

    >悪やノーと言って終わりではなんか釈然としない。

    これからきっと今回のシャルレの例をきっかけとして、色々と整備がされていくのかもしれないですねー。
    期待したいです!
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