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週末まとめ -12/13/2008-

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★アメリカ
週間では、ダウは-0.1%、ナスダック指数は+2.8%、S&P500は+0.4%でした。ダウは、月↑火↓水↑木↓金↑と上昇と下落が交互でした。先週末にオバマ次期大統領の大規模な景気刺激計画が明らかにされたことから、鉄鋼や建機など景気敏感でインフラ投資の恩恵を受けそうな銘柄が一週間を通じて強かったです。アメリカ以外の先進国も新興国も、大規模な景気刺激策の発表と金融緩和の実行を行っているので、今後の景気回復への期待が膨らみ始めた感じです。日本やアジア各国市場でも、景気敏感株が強かったです。また、11月締めのファンド勢の解約売りが止まって売り圧力が減り、株式市場の需給が良いというのもあるのでしょう。一部のファンドは解約に備えて多めに換金売りを行っていたため現金が必要以上に積み上がっているようです。そういったファンドの資金が、再度株式市場に流れこんできている可能性もありますね。

米国時間で木曜日の夜に、自動車メーカー救済法案が廃案になったことからGLOBEX米株価指数先物は急落し、金曜日の米株市場の動向が心配されましたが、金曜に市場が開く前に、TARPからの資金活用を含む自動車メーカーへの救済対応を検討していると米政府が発表し、金曜の米株は上昇となりました。自動車メーカーは破綻させないと政府がはっきり宣言したようなものなので、まあ形式上の破綻(破産法適用の申請)の可能性はかなり低くなったと思います。実質的には、チャプター11申請後の再建プロセスのような大規模なリストラが行われるのでしょうけど。そういった大規模なリストラを行わないと、際限なく血税をつぎ込むことになりますから。

ちなみにTARPは、最初の3500億ドルのうち残っているのは150億ドル。あと3500億ドルの枠があるけど、それは議会の承認を得ないと手をつけられない・・・という状況なので、どうやって救済資金を捻出するかでまた一揉めしそうな気がします。

議会や次期政権が動けるようになる来年1月までは、TARPか何かで延命処置ですね。それから再度、債権者や労働者とリストラ策についての交渉が行われるのだと思います。またUAWがゴネそうですけどね・・・。やっぱり潰せないんだろ?なら、ゴネてやんよ、ってな感じで。彼らは、今回の政府の迅速な対応でさらに増長してそうな気がします。

木曜日の経緯を書いておくと、議会では救済法案についての合意は間近でしたが、一部共和党議員が要求していた「工場労働者の賃金を、2009年中にトヨタやホンダなど米国外メーカーの米国工場の水準へ引き下げる」条件を、UAWが拒否し、決裂に至ったようです。UAWは、2011年までは賃下げは飲めないと言ったようです。トヨタ米国工場の賃金水準でも、アメリカの一般製造業の賃金水準よりは高いですし、日本のトヨタの工場よりも高いです。

金融株は全般的に弱かったです。バンカメが今後3年間で35,000人の人員削減を発表したり、JPモルガンCEOが今四半期の状況が厳しいと発言したり、USバンコープが前期よりも大幅に多い貸倒引当金を計上する可能性があると述べたりと、金融機関の苦境は続いています。16日にはGSが、17日にはモルガンスタンレーが決算発表を行います。


★日本
週間では、日経平均は+4.0%、TOPIXは+3.5でした。円高気味にもかかわらず、日経平均は木曜日までは4連騰。金曜日は自動車メーカー救済法案の廃案報道に水を差されましたが、それでも前場までは強かったです。業種別では、海運、建機、非鉄、自動車など世界景気に敏感な銘柄の強さが目立ちました。香港市場や韓国市場の上昇も凄かったです。世界の景気が良くなりそうとなると、日本株の景気敏感株やアジア株式市場は一気に上がりますね。来週以降も今週みたいな強い地合いが続くか判断するのには、アジア市場を並行して見ていくと良いと思います。対照的に、食品、医薬品、陸運などのディフェンシブ株は弱かったです。ディフェンシブへ逃避していた資金が逆流しているのかもしれません。

ソニーが大幅な人員削減、シャープが液晶パネル減産、トヨタが下期に赤字に転落する見通し、他にも大手製造業で派遣社員を中心とした人員削減が相次いだりと、各企業の足もとの状況はかなり厳しいようです。厳しい状況になるのはある程度株価に織り込まれているので、大事なのはこれから業績を上向きにできるのか?ということですね。


★為替
一週間を通してドル安が進みました。金曜日に自動車メーカー救済法案が駄目になったのをきっかけに猛烈な円買いが入り、ドル円は一時1ドル88円台まで行きましたが、米株の反発に合わせて円安方向に戻っていますね。他の通貨に対しての円の動きを見ると、円買いは一服したようです。ただドル売りは続いているようなので、ドル円は円安方向に戻りにくいのではないかと思います。


★商品
ドル安が進んだことから商品価格は上昇しました。世界的な景気回復期待もあったのだと思います。


★今週の予定

15日(月)
 日銀短観(日)
 12月ニューヨーク連銀製造業景気指数(米)
 11月鉱工業生産(米)
16日(火)
 11月消費者物価指数(米)
 11月住宅着工件数(米)
 FOMC政策金利発表(米)
 ゴールドマン・サックス決算発表
17日(水)
 モルガンスタンレー決算発表
18日(木)
 新規失業保険申請件数(米)
 12月フィラデルフィア連銀景況指数(米)
 11月景気先行指数(米)
 オラクル決算発表
19日(金)
 
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