外航不定期船市況は引き続き高船齢の撒積船のスクラップ処分が見られるものの、中国、インド等の新興国の経済成長の鈍化による需要減、新造船の供給圧力等により市況回復が当初想定より遅れており、売上高の減少、営業損失及び経常損失の増加が見込まれる一方、海外子会社の保有船の売船益を特別利益として見込んでおります。
また、7月31日に発表いたしました「訴訟の第一審判決に関するお知らせ」にて開示しておりますとおり、China National Chartering Co. Ltd.(以下、「船主」という)より当社に対して、平成22年6月21日付けで提訴されていた訴訟について、平成25年7月30日(現地時間)に英国高等法院より第一審判決が言い渡されました。
当社は、荷主との間で締結した航海傭船契約によって委託を受けた鉄鉱石の海上輸送のため、船主から一航海限りで貨物船「オーシャン・ビクトリー号」を定期傭船いたしましたが、平成18年10月24日、荷揚港の鹿島港外にて座礁、その後、平成18年12月27日に全損になったことに伴い、船主が、定期傭船者である当社に対して、定期傭船契約で定められた安全港・安全岸壁提供に関する不履行があると主張し、平成22年6月21日付けで英国高等法院に、同船の全損に係る損害賠償請求訴訟を提起しておりました。本訴訟においては、当社の主張が認められず、船主に対する損害賠償金及びこれに対する金利並びに訴訟費用の支払いを命じる判決が出されました。
これに対し、当社は判決言渡し時に英国高等法院に対し、控訴の意向を表明しており、加えて、判決内容を検討の上、速やかに英国控訴院に提訴する予定であり、控訴審においては、改めて当社の主張の正当性を訴えると共に、本判決の不当性を主張し、徹底的に争っていく所存でありますが、会計基準に則り、訴訟損失引当金繰入額として59億37百万円を計上しております。なお、本判決は第一審の判断であり、当社としては控訴を予定しておりますので、本判決により直ちに船主への支払が生じるものではございません。
上記をふまえ、四半期純損失を見直すこととし、第2四半期(累計)連結業績予想を下方修正いたします。
通期の業績見通しにつきましては、外航不定期船市況は足元では回復傾向にあるものの、為替・株式市場の動向や新興国における景気減速など、依然として不透明な状態が続き、当初想定の市況回復が遅れていることから、為替レート、燃料油価格及び外航不定期船市況前提を見直し、下期を通じて経常損益が±ゼロになると見込みました。それに伴い、通期の業績を修正しております。
なお、第2四半期~第4四半期の為替、燃料油価格の前提は以下のとおりです。
平成25年7月~平成25年9月
為替レート(円/ドル):\98.00
燃料油単価(トン当たり):$670.00
平成25年10月~平成26年3月
為替レート(円/ドル):\95.00
燃料油単価(トン当たり):$640.00
平成25年7月~平成26年3月(平均)
為替レート(円/ドル):\96.00
燃料油単価(トン当たり):$650.00
(燃料油価格はいずれもボンド油180cst京浜補油ベース)
※上記の予想は発表日現在、当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。