当社は、2013年6月期の業績予想については、前回公表値をレンジ形式で開示しておりましたが、このたび新たに特定数値による予想値を算出しました。なお、この新予想値は、前回公表した業績予想のレンジの範囲内です。
前回公表値においては、提携活動の不確実性を考慮し、新規提携パートナーを獲得して受取る可能性のある事業収益をレンジで表示しておりましたが、現在の提携活動状況から2013年6月期中に新規契約締結に至る可能性がなくなったと判断したため、新予想値はその下限であるゼロに修正します。
なお、損益については前回公表値の下限値を基準とした微修正にとどまります。新株予約権行使による発行済株式数の増加により、1 株当たり当期純利益は前回発表予想の下限値と一致いたしません。
《提携活動の経緯および現状について》
当社は、開発中の抗癌剤候補化合物CBP501 にかかる武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を2010年6月に解消して以来、提携パートナーとなる製薬企業等との連携模索(パートナリング活動)を実施しつつ、単独でCBP501臨床開発を進めています。
製薬企業等がベンチャーと提携し導入開発を開始するタイミングや条件は、薬剤候補化合物の疾患領域ごとの特性(市場規模、競合等)や開発進捗状況、開発中に得られたデータの内容等のみならず、当該製薬企業等の薬剤開発戦略、プロジェクトポートフォリオの状況など、さまざまな要因に左右されます。
一般に抗癌剤開発の領域において臨床第2 相試験のデータは、薬剤の有効性を確認し、続く第3 相以降の試験の設計を判断するための、きわめて重要なものです。
2010 年にCBP501に関するパートナリング活動を開始した当初、開発は臨床第2相試験の途上であり、最終データの獲得まで時間が掛かる上に内容についても不明な状態であったため、当社のパートナリング活動はその状況を踏まえたものとなりました。その結果、いくつかの好感触は掴んだものの、臨床第2相試験最終データに基づく議論ができるまで保留となるなど、最終的に新規契約の締結には至りませんでした。
その後、昨2012年6月に開催されたASCO(米国臨床腫瘍学会)において悪性胸膜中皮腫を対象とする臨床第2相試験の速報結果を発表し、その内容も主要評価項目を達成するものであったことから、このデータを踏まえたパートナリング活動を開始いたしました。
これに続き、去る2013年4月には非小細胞肺癌に対する臨床第2相試験速報結果も公表することができました。
現時点で当社は、これらの試験データから、新規提携獲得の障害となるような候補化合物プロファイル(CBP501の安全性・有効性など)は存在しないとの判断のもと、これまでに増して積極的なパートナリング活動を展開しております。
細目については公表することができませんが、製薬企業等との本格的なディスカッションの前提となる守秘義務契約の締結数、実際の接触の数などは過去継続的に漸増傾向にあるところ、本年に入ってそれらの増加ペースはさらに高まっており、討論の内容も充実度を増しているところです。
しかしながら、2013年6月期中に新規契約締結に至る可能性は本日現在においてなくなったと判断せざるを得ず、本情報開示に至ったものです。
当社は引続き、早期に新規提携契約を獲得できるよう努める所存です。